【心のハードルが大きいかも?】留学する日本人が減少している件について

こんにちは!

凡さんす(@academicocktail)と申します。

関西に住む大学4年生です。

2018年10月時点で、イギリスのエセックス大学およびブラッドフォード大学の修士課程(両方とも紛争解決学)から条件付合格(学部の成績を落とさなければ進学できる)をいただいています。

当ブログ編集長ひーやんさんの紹介で、このたび記事を寄稿させていただくことになりました!

 

今回は、「留学する日本人が減りつつある」という現状およびそれに対する私の意見を書きたいと思います。

2分ほどで読み終わる記事ですので、よかったらお付き合いください。

 

留学経験学生は減少中、行ったとしても語学留学

 

まず、こちらの論文の内容に触れます。

鈴木 穣『「語学留学は日本独特の留学形態である」を考察する。 -若者を取り巻く状況と今後の変化-』 上武大学ビジネス情報学部紀要 16, 39-62, 2017-06-26

全文はリンクからご覧いただけますが、簡単にポイントをまとめておくと以下のようになります。

 

<ポイント>

・留学生総数は、世界では増加傾向にある。

・それに対し、日本では2004年以降留学経験学生の数が減り続けている

・海外、とくに韓国、中国、インドなどアジア諸国の学生は大学や大学院の学位取得を目的とする正規留学に行くことが多い。

・それに対し、日本では語学習得を目的とする1年未満の語学留学が主流。

 

そして、日本の若者が海外に出て行かない原因として、筆者が主張しているのが次の3つの要因です。

 

経済的問題:留学にかかる費用が賄えない。

語学力不足:英語ができない。

大学生の就職問題:就活期間が早く始まり、長く続くことで、留学との両立が難しい。

 

私自身、留学に興味がありつつも結局行っていない身であるため、筆者の主張は肌感覚としてよくわかります。

周りで「留学行きたいけど行かない」人を見ていても、上記のいずれかまたは複数の要因から取りやめている人が多い気がします。実際に、朝日新聞と河合塾の合同調査の結果を見ても、2週間未満の留学が急増しています。その理由としては「就職活動への影響を考えて長期留学が敬遠される」「学生や保護者の経済的な負担が大きい」点を大学側が考慮し、短期留学プログラムの充実に力を入れていることが挙げられています(「海外留学、2週間未満が急増 就活を気にして長期は敬遠」)。

それにしても、世界では留学する人が増加傾向にあるのに日本だけ減少傾向にあるという事実を、恐ろしいものだと感じるのは私だけでしょうか...?

 

体験談:大学院留学に対する周囲の反応

 

上記の研究に関連して、私の体験に基づく意見を書いておきます。

イギリス大学院進学に向けて準備をしていたとき、そのことを大学の友人等に話すと、次のような反応が返ってくることが少なくありませんでした。

 

あの、、、

 

イギリスは、3次元空間に存在していますので!!!!!!!

すみません、感情的になりすぎました(笑)

何が言いたいのかと言いますと、「海外で勉強するということのハードルを必要以上に高く感じている人が多い」ということです。

また、「海外大学院進学を考えている」と話すと、「自分は英語ができない時点でダメだ〜頑張って〜」と言ってくる人もいます。

これは、上の論文で指摘されていた「語学力不足」のハードルですね。

英語力というのが相当厄介な壁であることは間違いありませんが、それでも、必要以上に大きく見積もっている人が多い気がします。

私はそれなりに頑張って英語力をつけていますが、それでもまだまだできないことだらけです。

ネイティブ・スピーカーの人と1対1では話せても、ネイティブ同士の早い会話には全くついていけません。海外ドラマは字幕なしでは見られませんし、英字新聞を読んだら頭が痛くなります。

ですが、この程度でも、出願先であるイギリスのそこそこ有名な大学が要求する英語の要件は満たしています。

もちろん行った先では困ることだらけだと思いますが、だからといって日本語が通じない空間は4次元空間ではないのです。

まあ、勉強するにしろ、仕事をするにしろ、日本も素晴らしいところではありますので、全員が全員海外志向であるべきだというつもりはありません。

ですが、海外で勉強するということがもうちょっと"フツー"の選択肢としてあってもいいのではないかなと思います。

 

おわりに

 

今回は、「留学する日本人が減りつつある」という現状およびそれに対する私の意見を書きました。

今回紹介しました論文の議論を伸ばしていくと、「語学留学が主流である現状を打破して、積極的に正規留学を推進していこう」という主張になると思います。

現在の日本では、海外で勉強するということのハードルが必要以上に高いため、語学を学んできたというだけで立派に思われてしまう。

このままでは、次々と学生を正規留学に送り込むアジア諸国に競り負けてしまうと。

留学を考えている人もそうでない人も、みんなで一緒に考えていきたい問題ですね!

この記事を書いた人

凡さんす

「フツーの人」が、無理せず社会のために行動し、考え、語れるようになる方法を探し続ける人 / 大学4年生のブロガー&ライター / 研究者志望だったけど目標が変わって就職浪人中 / 哲学、人権問題、環境問題、政治、そしてそれらの勉強方法などを中心に発信 / #わがままSDGs 個人ブログ「学問のカクテル」Twitter:@academicocktail

学問のカクテルライター一覧

REAL-2018th

大阪大学で開催されているREALプログラムの2018年度受講生です!

コメントを残す